
石川県金沢市にある日本三名園の兼六園は、毎年11月初旬から約1か月余りかけて、「雪吊り」の作業が始まります。樹々を雪で倒木や枝折れから守るだけでなく、その美しさから兼六園の冬の風物詩ともなっています。そんな冬の美しい風物詩「兼六園の雪吊り」の魅力を5つご紹介します。
兼六園とは
百万石前田家の庭園として造られた特別名勝・兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに、日本三名園の一つに挙げられます。
金沢市の中心部に位置し、四季折々の美しさを楽しめる庭園として、多くの県民や世界各国の観光客に親しまれています。
兼六園の雪吊りとは
雪吊(ゆきづり・ゆきつり)は、冬季、雪が付着することで、樹木の枝が折れないように縄で枝を保持すること。雪つりとも表記される。
金沢の冬の風物詩である雪吊りは、北陸地方特有の重い雪から木の枝を守るために施されている。しかし単に木を丈夫にするだけではない。その姿は冬の金沢の象徴でもあり、とても風情を感じるものなのだ。
兼六園の雪吊りの魅力①:職人およそ500名が魅せる伝承の技
庭師の一人が芯柱の天辺に立ち、熟練の技で縄をうまく下へ投げ、下にいる庭師がこれを受け取り、枝に結びつける。そして円錐状の形を作り、見た目も美しく、趣深い風情を醸しだす。
兼六園といえば、やっぱりこの姿がさまになっているというか、見れてラッキーでした。
木の一番上でバランスを保ちながらロープの束を裁き、雪の重さに耐えられるよう、名園を守る人たちの技を感じました。
兼六園の雪吊りの魅力②:美しい幾何学模様「リンゴ吊り」
代表的なものは、「りんご吊り」と名づけられている手法です。樹木ごとに芯柱(しんばしら、アスナロ、真竹など)が立てられ、百数十本から多いもので260本に及ぶ縄が樹木を囲むように張られます。
この技法は、心柱を立て、その心柱の天辺から枝を支える数十本の荒縄を垂らし、それで枝を雪の被害から守る技法です。
兼六園の雪吊りの魅力③:見事な「唐埼松(からさきまつ)」
雪吊り作業は、毎年「唐崎松」から始めます。園内随一の枝ぶりを誇るこの松は、5本の芯柱が建てられ、総数約800本の縄で枝を吊ります。
唐崎松(からさきまつ)は、13代藩主・斉泰(なりやす)が近江八景の一つ、琵琶湖畔の唐崎松から種子を取り寄せて育てた黒松で、兼六園の中で最も枝ぶりの見事な木である。
出典:wadaphoto.jp
兼六園の雪吊りの魅力④:樹々を守るための様々な技法
幹吊り(樹木の幹から縄を張る)、竹又吊り(三つ叉、四つ又吊りとも、竹を立てて縄を張る)、しぼり(低木の枝を全て上に集め、縄で下から巻き上げて結ぶ)などがあります。
樹木の高さや枝振りによって『幹吊り』、『竹又吊り』、『しぼり』という手法を使い分ける技術は、『兼六園方式』と呼ばれ、全国から庭師が学びに来る程だということです。
出典:ameblo.jp
兼六園の雪吊りの魅力⑤:夜のライトアップ
雪吊が施された木々が照明に照らされて、浮かび上がって見えます。兼六園の中でも一番有名な 徽軫灯籠(ことじとうろう)です。
兼六園の雪吊りへのアクセス
【アクセス】JR金沢駅からバスで15分
【電話番号】076-234-3800
【開園日】年中無休
【開園時間】3月1日~10月15日 7:00~18:00
10月16日~2月28日 8:00~17:00
【入園料】大人:310 小人(6歳以上):100円
※無料開放日もあります。
【雪吊り作業期間】11月1日~12月中旬の予定
文化財指定庭園 特別名勝 兼六園
www.pref.ishikawa.jp
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