首都ヌメアを中心に、本島南部や隣島に観光客が集中する「ニューカレドニア」。でもその魅力は、まだまだ知り尽くされてはいないんです。乾いた大地やジャングルに包まれたゴツゴツとした岩山など、手つかずのワイルドな自然景観でいっぱいの本島「グランドテール島」北部の魅力を、旅人も訪れやすい5つのエリアに絞ってご紹介します。
ニューカレドニアの本島「グランドテール島」
成田や関空から直行便で約8時間30分。南太平洋に浮かぶフランス領の島々「ニューカレドニア」は、みなさん、ご存じですよね。ユネスコ世界遺産にも登録された、世界最大規模の「ラグーン(環礁)」に囲まれた美しい島々は、「天国にいちばん近い島」などとも呼ばれています。
いちばん大きな本島「グランドテール島」南部の首都「ヌメア」を中心に「ウベア島」や「イル・デ・パン」といった離島のビーチで休暇を過ごしに訪れる人の多い旅先ですが、実はそれだけではもったいない。最近は、ワイルドな手つかずの自然景観を楽しめる本島北部にも旅ツウたちの注目が集まっているんです。今回は、そんな中から初めての旅人でもレンタカーを運転できれば比較的、訪れやすい5つのエリアをご紹介します。
①ブーライユ:13kmの白砂のビーチを前にする注目エリア
まずご紹介するのは、首都ヌメアから車で2時間半ほど北上した西海岸に所在する「ブーライユ」。13kmにおよぶ白砂のビーチ「デヴァビーチ」に、2014年、自然保護区の景観を維持するかたちで「シェラトン・ニュカレドニア・デヴァ・リゾート・アンド・スパ」がオープン。今いちばん注目のエリアです。一帯は、世界遺産登録されたラグーンを含むエリアで、とにかく海の綺麗さは折り紙つき。
遠浅の美しい海とビーチという“ニューカレドニアらしい”景観だけではなく、こんなワイルドな絵も撮れる、起伏に富んだ地形もブーライユの魅力です。写真は、かつては鍾乳洞だった岩が長い時間をかけて波に浸食されてできた奇岩「ラ・ロッシュ・ペルセ」。さらに海から内陸へと車を走らせると、小高い丘が連なり、その上からは息を飲むほど見事な青やグリーンのグラデーションの海を延々と見渡せます。
ブーライユは、人口約6000人の小さな町。町役場や教会などコロニアル調の建物が今も残り、土産物など探しながら、のんびりと歩くのも楽しい。パステルカラーに塗られた建物たちは、とってもフォトジェニックで、写真を撮るのにも夢中になってしまいそう。
②コネ:マングローブやサンゴ礁を海から眺める空旅の拠点
空から眺められるのはもちろん、マングローブだけではありません。何より嬉しいのは、こんな素晴らしいラグーンをずっと眺めていられること。ニューカレドニアは、1600キロにおよぶ長さの「バリアリーフ(堡礁)」に囲まれており、その内側のラグーンの総面積は2万3400平方キロと世界最大規模。圧倒的な広さを誇るサンゴ礁の海の美しさは空から眺めると、なおさらに素晴らしく感じられます。
③ヤンゲン:ジャングルに覆われた神秘的な雰囲気のある景勝地
続けてご紹介するのは、コネから車で約2時間半。本島の西海岸に所在する「ヤンゲン」です。ジャングルに包まれ、切り立った黒い岩山からは100メートルもの高さからゴウゴウと水の落ちる滝もある。太古の世界から恐竜がそのままに棲息していても不思議はないようなワイルドな魅力を今に残す景勝地です。写真は、このエリアのシンボルになっているニワトリの形をした「チキンロック」。
カヤックや乗馬、トレッキングなど、内陸の魅力を味わうアクティビティを楽しめるエリアですが、もちろん海の魅力も存分に。モーターボートで10分あまりで到着する離島「イエンガ島」は、シュノーケリングのベストポイント。観光客も、まだほとんどいない秘境中の秘境で、どっぷりと自然に浸かる島時間を過ごせます。
まだ、南部ほどには多くの観光客のいないエリアとあって、夜になると人工的な灯りのほとんどない暗闇が訪れるのも素敵なところ。心ゆくまで降るような星たちを眺めていられます。南半球に位置するニューカレドニアでは、「南十字星」ほか、日本ではほとんど見られない星座を観察することも可能。観光拠点としては「ホテル・クルヌエ・ヴィラージュ」が便利。スターゲイジング(天体観測)の後は、ゆったりとした雰囲気のバーでカクテルなどいただく時間も最高です。
④ポワンディミエ:ダイバーにも人気の素朴な魅力溢れる小さな町
⑤各地:先住民Kanak(カナック)の住まう素朴で美しい集落
最後にご紹介するのは、各所に点在する、ニューカレドニアの先住民「Kanak(カナック)」の方々が住まう集落。観光地ツアーなどが催行されているわけではないので、訪れるには現地の方と連絡し、お招きをいただく必要があるので留意してくださいね(より詳しく知りたい方は以下のリンクからどうぞ!)。写真は「Napoemien tribe」の酋長「Jehudit PWIJA」さん。
この日は、タロイモやバナナ、サツマイモなどと一緒に、鶏肉や魚、海老などを大きなバナナの葉に包んで蒸す伝統料理「Bougna(ブーニャ)」を、振る舞ってくださいました。Bougnaの最大の特徴は、地面に掘った穴の中で火を炊き、その中で食べ物を加熱すること。Jehudit の子どもたちと一緒に、住まいを見せていただいたり、ジャングルに分け入り食べられる木の実などを教えてもらうのも、ニューカレドニアの異なる側面をリアルに体感する素晴らしい時間です。
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