世界文化遺産にも指定されている南米ブラジルの首都・ブラジリアにある人気の観光スポット「ドン・ボスコ聖堂(Santuário Dom Bosco)」は、いまも敬愛されるイタリアの聖人ジョヴァンニ・メルキオッレ・ボスコの名を冠した教会堂です。ドン・ボスコが亡くなる5年前の1883年(明治16年)に夢で見たというエピソードをもとに、1970年(昭和45年)5月に建てられました。重さ12トンにもおよぶ紺碧のステンドグラスや、ベネチアグラスの豪華なシャンデリアなどの見どころが満載の「ドン・ボスコ聖堂」をご紹介します。
ドン・ボスコ聖堂とは
南米ブラジルの首都・ブラジリアは、旧首都のリオ・デ・ジャネイロから900km以上離れた標高約1,100mの高原地帯に、わずか4年で建設されて遷都されるという大胆な経歴をもつ街で、“人類の創造的天才の傑作を表現する物件”として1987年(昭和62年)には異例のユネスコの世界文化遺産に登録されています。ドン・ボスコ聖堂(Santuário Dom Bosco)は、そんな世界遺産の街・ブラジリアで人気の観光スポットのひとつです。
ドン・ボスコ聖堂は、ドン・ボスコの愛称で敬愛されるイタリアの聖人ジョヴァンニ・メルキオッレ・ボスコ(Giovanni Melchiorre Bosco)がいまから130年以上前の1883年(明治16年)に見た夢で、“南米の大きな湖の傍にある鉱物資源の豊かな土地に、ユートピアを作るように”とのお告げをもとに、1970年(昭和45年)5月に完成しました。
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ブルーのステンドグラスと巨大シャンデリア
ドン・ボスコ聖堂の建物の内部には、シンプルな長方形の外観からは想像できない神秘的な空間が広がっています。ブルーのステンドグラスと中央上部の大きなシャンデリアが印象的なこの教会を設計したのは、20世紀の巨匠と謳われたブラジルの天才建築家、オスカー・ニーマイヤー( Oscar Ribeiro de Almeida Niemeyer)の弟子にあたる、カルロス・アウベルト・ナベス(Carlos Alberto Naves)という人物です。
ドン・ボスコ聖堂の聖堂は80本の柱によって支えられた2,200平方メートルにもおよぶ壁面があり、窓という窓にはベルギーの芸術家ヒューバート・ヴァン・ドールン(Hubert Van Doorne)によって紺碧のステンドグラスが嵌め込まれています。その総重量は実に12トンもあります。日中は自然光によって教会内を鮮やかなブルーに染めるステンドグラスは、全部で12色のグラデーションからなり、高くなるほど濃い色になっているのだそうです。
トリノのカリスマ聖人「ドン・ボスコ」
ドン・ボスコ聖堂の名前の由来でもある聖ヨハネ・ボスコは、自身も貧しい農家に生まれた境遇から、青少年教育を通じて世界130以上の国々でキリストの愛を体現するカトリック修道会のひとつ「サレジオ会」を創設し、“青少年の父・カトリック教育の師”と讃えらるカリスマです。1888年(明治21年)に惜しまれながら世を去りましたが、亡くなる数年前にサレジオ会の事業を示す世界一周の夢を見たといいます。
ドンボスコが生きた19世紀後半は、日本でもバテレン追放令のもとキリシタン弾圧が厳しさを増していた時代で、幕末の1862年(江戸文久元年)には長崎で殉教した26人が列聖されるなど、ヨーロッパ教会の関心事でした。ドン・ボスコの夢には、そんな日本の地も“メアコ(都)”という名前で登場しています。
ドン・ボスコについて – DON BOSCO JAPAN
www.donbosco.jp
夜もきれいなドン・ボスコ聖堂
夜のドン・ボスコ聖堂は、昼間とはまた違った美しさが楽しめます。飾り気のない総コンクリートで無機質な印象だった外観は、まるでエジプト遺跡の宮殿のように幻想的で、暗闇に浮かび上がるブルーの十字架も象徴的です。ブルーに輝く十字架は、四方のどこから見ても必ず建物の左隅に位置するように設計されています。
天井から下がった豪華なシャンデリアはイエス・キリストを意味する“万物を照らす光”の象徴で、まさに昼間の太陽のように燦然と輝いています。重さは約3トンといいますから、グランドピアノで10台分ほどですね。ヴェネツィアから取り寄せられたムラーノグラスが約7,400個も使用されているのだそうです。
いかがでしたか
世界遺産の街・ブラジリアの蒼い教会「ドン・ボスコ聖堂」をご紹介しました。オスカー・ニーマイヤーによる美しい建築物が数多く残されているブラジリア市域でも人気の高いスポットですので、人出の少ない早朝のお出かけがおすすめです。ブラジリアを訪れたらぜひ足を運んでみてください。
基本情報
所在地:702 Sul – Asa Sul Brasília – DF 70330-720
TEL:営業時間:7:00~20:00
料金:無料
定休日:無休
アクセス:Via W3 Sulバス停より徒歩すぐ
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