南米ブラジルの国際都市・リオデジャネイロにある「国立美術館(Museu Nacional de Belas Artes)」は、コロニアル・スタイルのレトロな建物が残るセントロ歴史地区にある人気の観光スポットです。20世紀初頭に建てられた趣のある建物はフランス・パリのルーヴル美術館をモデルに設計されたもので、優雅なフランス・ルネッサンス様式の特徴を含んだ折衷様式です。19世紀初頭にポルトガル王室によって持ち込まれたコレクションに始まるという歴史のあるミュージアム「国立美術館」をご紹介します。
リオデジャネイロ国立美術館とは
南米ブラジルでサンパウロに次いで大きな国際都市・リオデジャネイロは、世界的に有名なリオのカーニバルや世界文化遺産にも登録されている歴史的景観などで人気の観光地です。古くからリオデジャネイロの歴史と経済の中心地であり、コロニアル様式の建築物が残るセントロ歴史地区に建つ国立美術館(Museu Nacional de Belas Artes)は、リオデジャネイロを代表的する文化施設です。
20世紀初頭に完成した貫禄たっぷりのブラジル国立美術館は、フランス・パリのルーヴル美術館をモデルとして建てられ、1938年(昭和13年)に開館しました。フランス・ルネッサンス様式の特徴を備えた折衷様式の建築物で、ブラジル国内でもっとも重要なコレクションを保有するミュージアムのひとつです。
Rio de Janeiro City
www.brazil.org.za
The bustling city of Rio de Janeiro has been one of Brazil’s most popular and frequented tourist destinations for decades. Its vibrant city centre is bursting with culture and pulsating with a deep sense of history and heritage.
歴史あるブラジル美術の殿堂
19世紀初頭、ナポレオン・ボナパルトの攻撃によって1808年に本国を追われたポルトガル王室と貴族はブラジルに逃亡し、デジャネイロに宮殿を建てて遷都しました。王室が移転してきたリオデジャネイロは急速に発展します。国立美術館の所蔵品の中心はポルトガル王ジョアン6世によってこの時もたらされた美術品が起源になっているのだそうです。現在はリオデジャネイロ連邦大学が運営しています。
国立美術館は、国立美術学校としてスペイン生まれの建築家モラレス・デ・ロス・リオス(Morales de los Rios)が設計しました。展示品は多岐にわたり、17世紀から20世紀のヨーロッパ各国から集められた絵画や彫刻をはじめ、書籍、文書、版画など7万項目18,000点を数えます。
ジョアン6世 (ポルトガル王) – Wikipedia
ja.wikipedia.org
国立美術館の見どころ
国立美術館で特に目を惹く展示は19世紀のブラジル美術コレクションで、大規模かつ重要な作品を数多く所蔵しています。代表的な作品には、美術教師で主にアカデミック美術を手掛けたブラジルの画家ペドロ・アメリコ・デ・フィゲイレド・エ・メロ(Pedro Américo de Figueiredo e Melo)の大作で、ラテンアメリカ史上最も凄惨な武力衝突・三国同盟戦争を描いた「アヴァイでの戦い(Batalha de Avaí)」があります。
ヨーロッパ人として初めてアメリカ大陸の風景を描いた画家で、1636年にブラジルを訪れたオランダ人のフランス・ポスト(Frans Janszoon Post)が描いた17世紀ブラジルの風景画や、ホセ・マリョーア(José Malhoa)やカンディドポルティナリ(Candido Portinari)が描く労働者の姿も、ブラジルの歴史がリアルに感じられる印象的な作品です。
‘A batalha do Avaí’, tela monumental de Pedro Américo, é destrinchada em livro – Jornal O Globo
oglobo.globo.com
Obra que retrata a Guerra do Paraguai aparece em livro de Lilia Moritz Schwarcz lançado nesta terça
彫刻や現代アートも充実
国立美術館の通路には現在ルーヴル美術館に所蔵されているサモトラケのニケ( Winged Victory)をはじめとする世界中の有名彫刻のレプリカが並んでいます。さらにアフリカン・アートのセクションでは、外国のアシャンティ族やセヌフォ族よる装飾品やマスク、お守りなどの展示も見逃せません。
近現代のブラジルのアートギャラリーでは、ブラジル現代美術の巨匠と称される日系人アーティストの大竹富江や、画家で彫刻家の藤田嗣治とも交流があったというブラジル人現代画家のカンディド・ポルチナーリ(Candido Torquato Portinari)、サンパウロ州出身の女流画家タルシラ・ド・アマラル(Tarsila do Amaral)の作品なども見応えがあります。1983年(昭和58年)には新たになギャラリーとして写真コレクションの展示も加わりました。
いかがでしたか
起源は古くポルトガル帝政時代にまでさかのぼる歴史的なスポット、リオデジャネイロにある国立美術館をご紹介しました。19世紀から近代まで、ブラジル美術にどっぷり浸れるスポットです。リオデジャネイロ観光の際はぜひ足を運んでみてください。
基本情報
所在地:Av. Rio Branco, 199 – Centro Rio de Janeiro
TEL:+55 21 3299-0600
営業時間:10:00~17:00(曜日により異なります)
定休日:月曜
料金:R$ 5,00(日曜は無料)
アクセス:Rua Araujo Porto Alegre próximo ao 71停留所より徒歩1分
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