天空の鏡 ウユニ塩湖
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そんなお伽噺のような世界が、ここにあります。
南アメリカ中部の国・ボリビアにあるウユニには、時として地平まで続く水鏡の世界が出現します。
「天空の鏡」と称されるこの塩湖の正体は、真っ平らな“塩原”にたまった雨水であり、つまりは巨大な水たまりなのです。
雨季にしか見られない幻想的な風景が、人の心を惹きつけてやみません。
世界で最も平らな場所 ウユニ塩原
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山脈が隆起した際、大量の海水も残ったことと、乾燥した気候によって塩原が形成されました。
この塩原には高低差がほとんどなく、「世界で最も平らな場所」であるが故に、雨季には水鏡の光景が見られます。
広さはなんと四国と同じほどもあり、そのただ中に立てば見渡す限りの白い大地です。
遠近感がなくなる広さ
その遠近感のなさを利用したトリック写真の撮影が観光客に人気です。
写真で写すと遠くのものと近くのものの差がわからなくなるので、人を手に乗せたり、ジャンプすると空を飛んでいるように見えたりと色々と遊ぶことができます。
なお、雪景色と見まがう大地の白さが日差しを強く照り返すため、目を傷めないためのサングラスと紫外線対策の日焼け止めが欠かせません。
サボテンの残る儀式の島 インカ・ワシ
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岩だらけの乾いた地面から生えたサボテンが出迎えてくれ、かつて現地の民族の儀式が執り行われていたとの謂れをもつ地です。
サボテンは5mの高さがあるものもあり、近くで見るとその存在感に圧倒されます。
島の頂上まで歩くことができますが、高地で空気が薄いため、息を整えながらゆっくりと登っていきます。
標高5000m超の山・トゥヌパ山
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それは、塩原の端にそびえる標高5000mを超す山の名であり、今も原住民の人々の村があり、畑があり、家畜が飼われています。
また、山の中腹にある洞窟には古いミイラが眠り、現在もその地に暮らす人々を見守っています。
力強く生きる、アンデスの人々
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リャマやアルパカといった家畜を飼って毛織物にしたり、食肉にもされます。
また、塩分濃度の高い地で育つ、キヌアと呼ばれる雑穀が栽培されています。
キヌアは非常に栄養価が高く、それに注目が集まって近年では先進国への輸出も増えています。
空気が薄く、夏でも寒冷な気候に痩せた土地でありながら、人々は日々を力強く生きています。
塩の採掘場
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小山に積んで乾燥させた塩は、国内外に広く販売されています。
その他、塩をブロック状に切りだして利用することもあり、時には食用ではなく建築資材として使われることもあります。
現地には塩のブロックを用いて作られたホテルがあり、壁、テーブル、椅子やオブジェと塩に囲まれて宿泊することができるユニークな場所です。
列車の墓場
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1980年代に打ち捨てられた蒸気機関車が、今も物寂しげに佇んでいます。
かつて資源の運び出しに活躍した列車達が役目を終えて眠るこの場所も、人気の観光スポットの一つです。
錆びた車体には時折落書きが見られるのはご愛嬌、いつからあるのか列車の間に作られたブランコで童心にかえりはしゃぐ観光客の姿もしばしば見られます。
運が良ければフラミンゴも
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塩湖やアルカリ性の湖など、特殊な環境で暮らすフラミンゴが、塩湖のあるこの地にいるのも頷けます。
特徴的な体の紅色は、えさの藻に含まれる赤色の色素を取り込むことで染まると言われています。
運が良ければ、塩湖の空を集団で渡るフラミンゴを見ることができるかもしれません。
各国から人々が訪れる幻想の地
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翻る多数の国旗は、人種や文化を超えて人々を惹きつけるこの地の魅力を表しているかのようです。
空の近さ、塩の大地、水鏡の世界、アンデスの文化、どれをとっても日本にいては知ることのできない景色です。
時に高山病に侵されるリスクを背負ったとしても、幻想の地へ訪れる人々は後を絶ちません。
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